不鳴条(読み)ふめいのじよう

日本歴史地名大系 「不鳴条」の解説

不鳴条
ふめいのじよう

五巻

解説 宇和島藩郡奉行所の記録に、大谷清陳が注を加えた藩法集。仁巻は天慶四年以来の領主の交代、慶長一九年伊達秀宗の入部、明暦三年吉田藩分封、元禄九年一〇万石高直し、寛文内折検地と鬮持制の実施、寛保三年鬮持制の廃止について詳細な史料を記載する。義巻は篠山・沖之嶋・鬼ヶ城山など他領との境界、狼煙場、城下から領内各地・大坂などへの里程、交通・流田・稲作法などについて記す。礼巻は年貢賦課・収納、奉公人・浪人・他所商人・虚無僧、村名改称などについて記す。智巻は郡奉行所、山方、浦奉行、郡吟味方、新田方、代官、郷中頭取など、役人の勤務や鉱山・網数・鉄砲農民の家屋・衣服、商品生産など多数の項目について記す。信巻は宝暦四年の下知、早稲田の栽植、種子米・大豆・作食米の利息、小物成、新田などについて記す。不鳴条とは塩鉄論の「周公時風不鳴条、両不破塊」による。

活字本 小野武夫編「日本農民史料聚粋」第一一巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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