下賀茂村(読み)しもがもむら

日本歴史地名大系 「下賀茂村」の解説

下賀茂村
しもがもむら

[現在地名]加茂川町下加茂しもがも

上賀茂村の北にあり、宇甘うかい川とその支流加茂川の合流点を中心に展開する村。宇甘川沿いに金川かながわ往来が東西に通る。古代津高つだか郡賀茂郷(和名抄)の遺称地。弘安一〇年(一二八七)四月一九日の関東下知状(神田孝平氏所蔵文書)によれば、弘長二年(一二六二)以前に京都最勝光さいしようこう院領長田おさだ庄の雑掌と庄務をめぐって、庄内の「賀茂郷中村新山下賀茂」地頭式部頼泰らが相論に及んでいる(→長田庄。康永元年(一三四二)の「備前一宮社法」に「賀茂等上下村々在々」より備前一宮吉備津彦神社の六月二八日の「うゑめの御神事」の際「御幡を三本」「かうぬの三本、合九たん、わうき合十二本、うちわ十二本、おひ十二すし」を奉納すること、また「山郡り、かも上下」の神主衆、大小の宮をもつ衆が春秋に「御へいの役、神楽役、宮役」の名目で、それぞれ樽銭二〇疋に木実・菓子を添えて一宮神主衆へ納めることなどが記される。賀茂下村とよばれていたことがうかがわれる。

寛永備前国絵図に加茂下村とみえ、高三三三石余。寛永七年(一六三〇)検地では朱印高のほか改出高一六四石余(貞享元年「津高郡高目録」池田家文庫)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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