下留駅(読み)しもつとまりのえき

日本歴史地名大系 「下留駅」の解説

下留駅
しもつとまりのえき

東山道飛騨支路の駅家。飛騨国に入って最初の駅で「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条によれば、駅馬は五疋で令に規定する数を備えている。伝馬は大野郡に五疋と記す。しかし「三代実録」貞観一二年(八七〇)一二月八日条に「勅分飛騨国大野郡両郡」とあるように、この段階ですでに益田郡が成立していたにもかかわらず、その伝馬数が欠けている。当駅は宝亀年間(七七〇―七八一)に新設された。「続日本紀」宝亀七年一〇月八日条によれば、「美濃国菅田駅、与飛騨国大野郡伴有駅、相去七十四里、巌谷険深、行程殊遠、其中間量置一駅、名曰下留」とあり、菅田すがた駅と次の伴有とまり駅の間が七四里と距離的に遠く、しかもその道が深く険しいものであったため、両駅の中間に新駅を設け、下留駅としたというのである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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