下括(読み)したぐくり

精選版 日本国語大辞典 「下括」の意味・読み・例文・類語

した‐ぐくり【下括】

〘名〙
① (━する) 指貫(さしぬき)の裾(すそ)に通した紐で足首のあたりをくくること。げぐくり。
太平記(14C後)二四「布衣に下(シタククリ)して、半靴著(はい)て、二騎充(づつ)左右に打並たり」
女性が、腰の回りに着物をからげて結ぶ腰ひも。細帯
洒落本・浪花今八卦(1773)桔梗卦「下(シタ)ぐくりをあらわしてするも、太夫といふ場にはない事」

げ‐ぐくり【下括】

〘名〙 指貫(さしぬき)の裾に通した紐で足くびのあたりをしめくくること。
※男官装束要領抄(1716)上「下袴、本儀綾なり〈略〉下括りのとき、指貫の下に用之」

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世界大百科事典(旧版)内の下括の言及

【指貫】より

…また麻布製であった狩衣(かりぎぬ)が上等の絹織物で作られ,上級の者の通常服となるとともに,麻布製の狩袴に代えて指貫をはくようになった。裾くくりの緒はふつう足首でしばり下括(げぐくり)と呼び,華やかに装うときは,くくった緒の結び余りを外に出して揚巻結びをして飾りとした。非常のときは膝の下でしばり,上括(しようくくり)と呼んだ。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」