下成木村(読み)しもなりきむら

日本歴史地名大系 「下成木村」の解説

下成木村
しもなりきむら

[現在地名]青梅市成木

黒沢くろさわ村の北に位置し、成木川が流れる。秩父道とそれより分岐する成木道が通る。西方に上成木村がある。地内の安楽あんらく寺蔵の大般若経四八四巻の永和五年(一三七九)一〇月日奥書に「杣保成木郷安楽寺」とある。貞治二年(一三六三)筆写分の五一三巻奥書に「右衛門尉私武光」、五一二巻・四八六巻奥書に私忠直・私忠家の名が記されるが、「私市氏系図」によれば、家信が成木大夫、守直が成木を号しており、成木郷は私市氏一族の成木氏の拠点であったとも考えられる。成木地区には元応二年(一三二〇)最古とする一五七基の板碑があり、下成木では正慶元年(一三三二)六月四日銘の金剛般若経偈板碑に沙弥道行とあり、注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報