上阿井村(読み)かみあいむら

日本歴史地名大系 「上阿井村」の解説

上阿井村
かみあいむら

[現在地名]仁多町上阿井

下阿井村の南に位置する。村の中央部を阿井川が北流し、南西部にたい(一〇二六・四メートル)、南の備後国境には猿政さるまさ(一二六七・七メートル)などがそびえる。阿井川・鯛ノ巣山・猿政山はそれぞれ「出雲国風土記」に載る仁多郡阿位あい川・志怒坂野しぬざかぬ御坂みさか山とされる。また同書の同郡比市ひし山は当地南境の毛無けなし山に比定され、比市山にはことあるごとに(関)が置かれたとあるが、これは毛無山の西の鞍部にあたる王貫おおぬき峠とみられる。江戸時代には松江藩の番所が同峠の北麓に置かれ、阿井川沿いを通る出雲備後道が同峠を越えて備後国に通じていた。集落は阿井川流域とその支流域の河岸段丘上にあり、中央部には近世初期に成立した上阿井町がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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