上渋垂村(読み)かみしぶたれむら

日本歴史地名大系 「上渋垂村」の解説

上渋垂村
かみしぶたれむら

[現在地名]足利市上渋垂町・問屋町とんやまち

渡良瀬川南岸の平地に位置し、南西百頭ももがしら村、東は下渋垂村。村内を例幣使街道が横断する。応永八年(一四〇一)一二月二三日の関東公方足利満兼寄進状案(鑁阿寺文書)足利庄「渋垂郷」とみえ、関東管領上杉朝宗の意向を受けて郷内の一部が借宿かりやど郷の「定光寺」に寄進されている。渋垂郷は当村から下渋垂村にかけての一帯に比定される。室町中期には高氏の所領となっているが(長禄三年一二月日「高師長本領目録」古文書集)、長享三年(一四八九)四月二五日の渋垂小四郎申状写(渋垂文書)によると、当時古河公方足利成氏方であった渋垂氏が永享の乱の際に入部して知行分とした所領のなかに、同郷内の佐野氏の給地がみえる。年未詳の一〇月二九日の正覚院弘勝副状(鑁阿寺文書)にみえる「渋垂之要害」とは、現在若干の土塁や堀を残す字ほりうちの渋垂城跡であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android