上岩川村(読み)かみいわかわむら

日本歴史地名大系 「上岩川村」の解説

上岩川村
かみいわかわむら

[現在地名]琴丘町上岩川

東と南は秋田郡、西は鹿渡かど村、北は下岩川しもいわかわ(現山本町)に接する。村全体が山地で、東部に房住ぼうじゆう山、南部に高杉たかすぎ山があり、これらの山地から三種みたね川が流れ、下岩川村・森岳もりおか(現山本町)を経て八郎潟に注ぐ。

文禄元年(一五九二)の秋田実季分限帳(秋田家文書)に「岩川惣村名付之事」として一一ヵ村の村名と石高が記されるが、上岩川に属する村は確認できない(→下岩川村。天和年間(一六八一―八四)成立の「上岩川村開起記」には延宝八年(一六八〇)に「上下岩川村と分置」とある。

支郷増浦ますうら村は三種川の支流小又こまた川の上流にあり、享保一五年(一七三〇)の「六郡郡邑記」では一七軒。峰越えに鯉川こいかわ村と接し、小又川を遡行すると支郷入通いりとおり村を経て秋田郡に通ずる。入通村は「六郡郡邑記」に入通松木野沢いりとおりまつきのさわ村とあり、「上岩川村開起記」には「先年松木沢村」とあり、延宝年間の梅津氏の開発で増浦村から移るとある。増浦の下流に支郷鰄淵かいらげふち村がある。元禄八年(一六九五)勝平かつひら村から移住して成立(上岩川村開起記)。増浦と鰄淵の中間に支郷神馬沢じんばざわ村があり、元文二年(一七三七)砂子沢いさこさわ村から引っ越して成立(同書)。鰄淵村の下流に支郷上砂子沢かみいさこさわ下砂子沢しもいさこさわ二村がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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