上場商品(読み)じょうじょうしょうひん

改訂新版 世界大百科事典 「上場商品」の意味・わかりやすい解説

上場商品 (じょうじょうしょうひん)

法定市場である商品取引所で売買の対象となる商品。取引所は定款で上場商品を定める。商品取引所法制定(1950)当初の上場商品は九つの法定商品と三つの政令指定商品であったが,1975年の法改正で全商品が政令指定に改められた。現在の上場商品には,綿糸毛糸生糸,スフ糸などの原糸と生糸原料の乾繭精糖,粗糖,大豆小豆,大手亡,ゴム,金などがある。上場商品の資格としては,(1)流通量が大きい,(2)一定期間,品質に変化がなく保有がきく,(3)値動きが激しく,保険つなぎの必要性が大きい,などであり,その商品の取扱関係者の上場希望を前提に,農産物農林水産大臣,工業製品は通商産業大臣がそれぞれ認可する。上場商品の資格に欠ける商品,逆に上場の必要性の高まってきた商品など,上場商品の弾力的な入替えが迫られているが,82年3月,金が30年ぶりに新規上場商品となったのを契機に,80年代は上場商品の新陳代謝が進むものとみられる。卸売市場への上場とは市場で〈せり〉にかけることをいうが,その対象は,魚貝,野菜,果実食肉など生鮮食料品とその加工品に限られている。上場順位は荷の到着順である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報