上一宮大粟神社(読み)かみいちのみやおおあわじんじや

日本歴史地名大系 「上一宮大粟神社」の解説

上一宮大粟神社
かみいちのみやおおあわじんじや

[現在地名]神山町神領 西上角

旧郷社。上一之宮大粟神社とも記され、地元では大阿波(大粟)さんと通称される。もとは田口たのくち大明神とも大粟神社とも称された(阿府志・阿波志)祭神は大宜都比売命。大宜都比売は焼畑の穀霊とされ、阿波(粟)国の祖神ともいわれる。大同三年(八〇八)に阿波国司となった田口息継の一族が田口氏の祖神として崇敬し、田口大明神とも称されるようになったという。田口氏はのち一宮氏を称したとされる。当地は古代末期から一宮神領であったとみられる。阿波国の一宮の社領が所領化し、京都長講堂領として伝領された一宮は鮎喰あくい川流域に比定され、中心は現神山町域と推定されている。阿波国一宮については現鳴門市の大麻比古おおあさひこ神社とする説が一般的であったが、当初の一宮は当社で、のち当社から分祀されたといわれる現徳島市の一宮神社に移り、南北朝期に守護細川氏の影響下において大麻比古神社が一宮となったとする説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「上一宮大粟神社」の解説

上一宮大粟神社

徳島県名西郡神山町にある神社。「かみいちのみやおおあわじんじゃ」と読む。創祀は不明。旧郷社。祭神は大宜都比売命(おおげつひめのみこと)。

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