三島江村(読み)みしまえむら

日本歴史地名大系 「三島江村」の解説

三島江村
みしまえむら

[現在地名]高槻市三島江一―四丁目・三箇牧さんがまき一丁目・柱本新はしらもとしん町・柱本はしらもと一丁目・同五丁目・三島江

唐崎からさき村の南にあり、東は淀川を挟んで河内国茨田まんだ出口でぐち(現枚方市)あくた川の淀川流入口南方の低湿地に位置し、淀川沿いに大坂街道が通る。「万葉集」巻七に「三島江の玉江の薦を標めしより己がとそ思ふいまだ刈らねど」、巻一一に「三島江の入江の薦をかりにこそ」とある。三島江は歌枕として知られるが、当地から淀川下流の鳥養とりかい(現摂津市)に至る淀川右岸一帯をさすとされる。「後拾遺集」には曾禰好忠の「み島江につのぐみ渡る芦の根の一よの程に春めきにけり」を収める。芦や薦などとともに詠まれることが多い。「玉江たまえ」も歌枕として知られ、「八雲御抄」は越前、「五代集歌枕」は摂津とするが、「玉江」は単なる美称で、証歌の「万葉集」巻七の作では「三島江」をたたえた言葉であり、強いていえば三島江の異称である。「後撰集」に「読人しらず」として載る「玉江こぐ芦かりを船さし分けて誰を誰とかわれはさだめん」ほか多くの歌に詠まれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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