三好久太郎(読み)みよしきゅうたろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三好久太郎」の意味・わかりやすい解説

三好久太郎
みよしきゅうたろう
(1872―1934)

化学技術者。士族の子として金沢に生まれる。1896年(明治29)東京帝国大学工科大学応用化学科を卒業。八幡(やはた)製鉄所(現、新日鉄住金)技手となり、1897年ドイツに出張、製鉄技術を研究して帰国した。1900年(明治33)製鉄所技師となり、コークスおよび炉材部門を担当し、再度ヨーロッパに派遣されるなどした。1912年(大正1)製鉄所技師を辞め、大阪瓦斯(ガス)株式会社に入り、1915年に工学博士。1916年大阪瓦斯技師長となった。1918年には日本染料株式会社取締役技師長に就任した。製鉄用炉材の研究や製鉄燃料の改善のほか、コールタール染料をはじめとする化学工業確立のための基礎形成に大きく寄与した。

山崎俊雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三好久太郎」の解説

三好久太郎 みよし-きゅうたろう

1872-1934 明治-昭和時代前期の化学技術者。
明治5年1月21日生まれ。八幡(やはた)製鉄所技師をへて大阪瓦斯(ガス)の技師長,日本染料製造の取締役技師長などをつとめた。製鉄用炉材の研究,タールの化学利用の開発などに貢献。昭和9年12月11日死去。63歳。石川県出身。帝国大学卒。

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