三井楽町(読み)みいらくちよう

日本歴史地名大系 「三井楽町」の解説

三井楽町
みいらくちよう

面積:三三・八〇平方キロ

五島列島の福江ふくえ島の北西部に位置する。南東岐宿きしく町、南は玉之浦たまのうら町に接し、ほかの三方東シナ海に面する。西の沖合約五キロに嵯峨さが(面積三・〇一平方キロ)がある。北部にきようノ岳(一八二・七メートル)、南部にきり山などがあるが、全体になだらかな平野部を形成しており、南部を正淵まさぶち川が東流してはまくり(三井楽港)に注いでいる。同湾奥の白良しららヶ浜や南西部のたか浜などは景観に恵まれる。千々見ちぢみ鼻・高崎たかさき鼻・かしわ崎・長崎ながさき鼻・マゼノ鼻などがあるが、これらがつくる入江はさほど深くない。国道三八四号が南部を通るほか、県道貝津岳かいつだけ―浜ノ畔線がある。

町域では三井楽貝塚のように弥生時代にも大規模な貝塚が形成されている。律令制下では松浦まつら値嘉ちか郷に属したと考えられる。「万葉集」や「肥前国風土記」にみえる旻楽・美弥良久は当地に比定され、渡海する遣唐使船の最後の経由地となっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報