万福寺(島根県)(読み)まんぷくじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「万福寺(島根県)」の意味・わかりやすい解説

万福寺(島根県)
まんぷくじ

島根県益田(ますだ)市東町にある時宗(じしゅう)の寺。清滝山と号する。本尊阿弥陀如来(あみだにょらい)。古くは益田市内の中須(なかす)にあった安福寺という天台宗の大寺であったが、大津波のため流失し、その後、1321年(元亨1)ごろ、4代目遊行上人(ゆぎょうしょうにん)春海(しゅんかい)がこの地を訪れて中興し、時宗寺院となった。1374年(文中3・応安7)に七尾(ななお)城主益田兼見(かねはる)が現在地に移して万福寺と改めた。鎌倉時代の様式を残す本堂、鎌倉末期ころ作の絹本着色『二河白道(にがびゃくどう)図』は国指定重要文化財。また雪舟作と伝える池泉回遊式の築山(つきやま)庭園は国指定名勝・史跡である。

水谷 類]


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