七情(読み)シチジョウ

デジタル大辞泉 「七情」の意味・読み・例文・類語

しち‐じょう〔‐ジヤウ〕【七情】

7種の感情。「礼記らいき」では、喜・怒・哀・・愛・悪・欲。仏教では、喜・怒・哀・楽・愛・・欲をいう。
漢方で、薬物の配合関係を7種に分類したもの。単行・相須・相使・相畏そうい相悪・相反・相殺をいう。

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精選版 日本国語大辞典 「七情」の意味・読み・例文・類語

しち‐じょう ‥ジャウ【七情】

〘名〙
七種の感情。仏教では、喜・怒・哀・楽・愛・悪(お)・欲をいい、「礼記‐礼運」では、喜・怒・哀・懼(く)・愛・悪・欲をいう。広く心情の動きの総称
※清原国賢書写本荘子抄(1530)五「中心純実にして外の七情にあらはるるは楽也」
俳諧去来抄(1702‐04)修行「七情万景、心にとどまる所にほ句あり。附句は常なり」 〔劉禹錫‐問大鈞賦〕
② 漢方で、薬物の七種の作用をいう。すなわち、単行するもの、相須(あいま)つもの、相使うもの、相悪(あいにく)むもの(他の作用を奪うもの)、相畏(あいおそ)れるもの、相反するもの、相殺すもの。

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普及版 字通 「七情」の読み・字形・画数・意味

【七情】しちじよう(じやう)

人の七種の感情。〔礼記、礼運〕何をか人と謂ふ。喜・怒・哀・懼・愛・惡・欲、七つは學ばずして能くす。

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とっさの日本語便利帳 「七情」の解説

七情

『礼記』では▽喜、怒、哀、懼(く)、愛、悪、欲
仏家』では▽喜、怒、哀、楽、愛、悪、欲

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世界大百科事典(旧版)内の七情の言及

【朱子学】より

…これが〈情〉である。性の動きがすべて情であるが,ふつうこれを〈四端(したん)〉と〈七情〉にパターン化する。四端とは,惻隠(そくいん)(仁のあらわれ),羞悪(しゆうお)(義のあらわれ),辞譲(礼のあらわれ),是非(智のあらわれ)の四つ,七情とは,喜・怒・哀・楽・愛・悪(お)(にくしみ)・欲の七つをいう。…

【情】より

…中国思想の用語。狭義には感情,情欲のことで,七情(喜,怒,哀,懼(おそれ),愛,悪(にくしみ),欲)として類型化されるが,広義には静かな〈性〉(本性)が動いた状態をすべて情と呼ぶ。したがって四端(惻隠(あわれむ),羞悪(はじる),辞譲(ゆずる),是非)や思慮なども情の範疇(はんちゆう)に入る。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」