一蓮院(読み)いちれんいん

日本歴史地名大系 「一蓮院」の解説

一蓮院
いちれんいん

[現在地名]奈良市八島

崇道天皇八嶋やしま陵の北、中世に八島郷藤原ふじわら里とよばれた所に位置する。八島藤原道場・八島道場ともいい、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。もと藤原町にあり、本願寺の藤原道場とよんでいたが、明治一四年(一八八一)現在地に移転。道場跡伝承地は現在地の北方水田の中にあるが、遺構は確認されていない。大和では比較的古い一向宗の拠点の一つで、「経覚私要鈔」によれば、長禄四年(一四六〇)閏九月三日、奈良興福寺大乗院経覚のもとに本願院兼寿(蓮如)から藤原道場について書状が到来、同月五日経覚は兼寿の要請を受けて古市春藤丸(胤栄)を召し、藤原道場との紛争の停止と糾明を命じている。経覚は九条経教の息、母は一向宗大谷の女で、経覚と蓮如とは縁戚関係にあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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