一立斎文車(読み)いちりゅうさいぶんしゃ

改訂新版 世界大百科事典 「一立斎文車」の意味・わかりやすい解説

一立斎文車 (いちりゅうさいぶんしゃ)

幕末講釈師生没年,本名不詳。豆腐屋を営んでいたことから〈豆腐屋文車〉とも呼ばれた。師匠がなく一本立ちしたことからこの名があり,世話物が好まれだした時流にのり,八丁荒しの人気を得た。2代目(1832?-81)は,高座小手がきいたことから〈巾着切文車〉と呼ばれ《藪原検校》や《掛川無宿の源太》などに長じ,博識ぶりでも有名。3代目(1847?-1917)は本名春日岩吉。《西遊記》を得意にし,にぎやかな高座で知られた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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