一本木町(読み)いつぽんぎちよう

日本歴史地名大系 「一本木町」の解説

一本木町
いつぽんぎちよう

[現在地名]函館市若松町わかまつちよう

明治五年(一八七二)二月に一町として公認された町(同年「御達留」市立函館図書館蔵、「事業報告」第一編)亀田かめだ半島と函館山を結ぶ陸繋部に位置し、鶴岡つるおか町の北東に続く。むかし柏の大木が一本あったのが地名の由来という(函館地名考)。「蝦夷日誌」(一編)に「一本木」とみえ亀田、箱館の境也。茶屋有。従亀田川六丁。此上の野、夏より秋は瑰、萱草、紫根、水楊梅、青茅、烏頭、女郎花桔梗多し。また蛍も飛かふ。鶉、鷸も朝夕は鳴けるさま、実ニいわんかたなし」と記され、また「松前紀行」では「一本木村」とみえ、「家数わづか四、五軒なり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報