関門(読み)かんもん

精選版 日本国語大辞典 「関門」の意味・読み・例文・類語

かん‐もん クヮン‥【関門】

[1] 〘名〙
関所の門。土地境に立つ門。関の戸。
※凌雲集(814)和左衛督朝臣嘉通秋夜寓直周廬聴早雁之作〈嵯峨天皇〉「絶域伝書全漢信、関門表弓守胡戎」 〔魏徴述懐詩〕
② 関所。せき。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔周礼‐地官・司関〕
③ 通過するのがむずかしい所。突破するために種々の困難が伴うもの。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉九「遠慮の関門を吹き飛ばしてしまったのである」
④ 相場の単位大台。たとえば相場が九八~九九円を上下しているとき、一〇〇円の称。〔新聞語辞典(1933)〕
⑤ 胃系の腹部の灸点。
※俳諧・広原海(1703)五「串門を破る灸所は医の武辺」
[2] 関門海峡を隔てて相対する、下関門司との併称。

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デジタル大辞泉 「関門」の意味・読み・例文・類語

かん‐もん〔クワン‐〕【関門】

関所の門。また、関所。
目的を達するのに突破しなければならない難所。また、突破するのが困難な所。「入試関門を突破する」
[類語]難関狭き門登竜門難しいかた困難至難難航難渋お手上げ難題難問難事懸案

かん‐もん【関門】[地名]

山口県下関市と、福岡県北九州市門司もじ関門海峡に隔てられる。

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普及版 字通 「関門」の読み・字形・画数・意味

【関門】かん(くわん)もん

境界の関所。唐・魏徴〔述懐〕詩 縱、計は就(な)らざれども 慷、志はほ存す 策(つゑ)を杖(つ)きて天子し 馬を驅りて關門を出づ

字通「関」の項目を見る

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