一文銭(読み)イチモンセン

デジタル大辞泉 「一文銭」の意味・読み・例文・類語

いちもん‐せん【一文銭】

1個1文の穴あき銭。江戸時代の最小単位の通貨
きわめてわずかの銭。
紋所の名。1の形を図案化したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「一文銭」の意味・読み・例文・類語

いちもん‐せん【一文銭】

〘名〙
一枚一文の値を持つ小額貨幣。江戸時代、元文四年(一七三九)までは銅銭であったが、のちには鉄の一文銭も発行されるようになった。
② きわめて少額の銭。
史記抄(1477)一九「繊嗇とは一文銭をも二文にへぎたう思て酒の一升をも買て」
③ 紋所の名。①の形をしたもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一文銭」の意味・わかりやすい解説

一文銭
いちもんせん

一般に一文銭といえば,おもに江戸時代の「寛永通宝」の一文銭をさす。素材は銅,鉄,真鍮。金銀貨と並び使われたが,最低額の貨幣として,数百種類鋳造され,最も大衆性をもった。明治4 (1871) 年に新貨幣制度になると,新貨一厘銭にあてられた。

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世界大百科事典(旧版)内の一文銭の言及

【円】より

…東洋世界での銅銭の原基となった唐の開元通宝(621鋳造)の量目を,宋以降に新たな単位として匁または銭とよんだ。日本の銅銭,和同開珎も寛永通宝も当初量目が一匁のゆえに,これらを一文銭とよぶ。明治政府は補助単位の基本通貨に銅貨をあてることにしたので,中国の故知にならい銭を採用した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」