一宮古墳群(読み)いつくこふんぐん

日本歴史地名大系 「一宮古墳群」の解説

一宮古墳群
いつくこふんぐん

[現在地名]高知市一宮

土佐神社の東・西にあった二基の古墳で、現在は二基とも消滅している。一号墳は土佐神社東側の東天神ひがしてんじんとよばれる山麓にあった後期横穴式石室をもつ古墳で、二号墳は土佐神社西方約一〇〇メートルにあり、その所在地を大塚おおつかといい、古墳を一宮大塚とも称した。大塚の地名はこの二号墳によるものである。

一号墳はいつ破壊されたかその記録は残らず、その詳細も不明。二号墳は明治二〇年(一八八七)新道(現在の国道三二号)開設のため破壊され、その横穴式石室の天井石三個を鳥付とりつき川に架ける橋材とした。この橋は以後太古たいこ橋といい、現在に及んでいる。二号墳の横穴式石室について、「皆山集」に「一宮村大塚ノ寸尺、奥行凡六間、高サ凡七尺、広サ凡七八尺(中略)笠ニ用石四ツ、外ニ一ツ、此分ハ先年一宮楼門前ノ橋ニ取用」とみえ、石室の天井石は本来五つの石で作られ、そのうち一つは土佐神社楼門前の橋に使われたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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