ルール問題(読み)ルールもんだい

百科事典マイペディア 「ルール問題」の意味・わかりやすい解説

ルール問題【ルールもんだい】

第1次大戦後ルール地方をめぐって起きた国際紛争。1923年フランスベルギー両国軍はドイツの賠償支払不履行ドイツ賠償問題)を理由にルールを占領し,ドイツはスト,テロ,ボイコットによる消極的抵抗対抗。ドイツ国内のインフレは急速に進行し,ワイマール共和国危機に陥った。フランスも予期した結果が得られず,英・米の仲介ドーズ案締結によって,1925年撤兵。
→関連項目ポアンカレ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ルール問題」の解説

ルール問題(ルールもんだい)
Ruhr

ドイツ西北部のルール地方をめぐる国際問題。ルールはヨーロッパ最大の大炭鉱地帯,大重工業地帯。第一次世界大戦後の賠償問題において連合国はルール占領を掲げドイツを威嚇(いかく),特にフランスはこの地の支配を企て,1923年1月賠償の履行(りこう)遅滞を理由にベルギーとともにルールを占領した。ドイツは消極的抵抗でこれに応えたが,9月抵抗を中止,結局ドーズ案の締結後フランスは撤兵した。第二次世界大戦後フランスはルールの国際管理を提案,49年ルール国際機関が設置されたが,52年ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)発足とともに廃止された。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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