ルソー(Pierre Etienne Théodore Rousseau)(読み)るそー(英語表記)Pierre Étienne Théodore Rousseau

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルソー(Pierre Etienne Théodore Rousseau)
るそー
Pierre Étienne Théodore Rousseau
(1812―1867)

フランスの画家。パリに生まれる。シャルル・レモン、ギヨン・レチエールのもとで修業する。早くからクロード・ロランや17世紀オランダ風景画に強い影響を受け、また同時にパリ周辺やフランス中部山岳地帯などを逍遙(しょうよう)し習作を重ねる。1831年サロン初入選。詩人ゴーチエらに認められ、風景画家としての評価を得る。しかし37年以降ふたたびサロン落選を繰り返す。その名声が定まるのは50年代以降である。ルソーバルビゾン派の中心的な画家であり、ミレーらとも親密な関係にあった。1836年にバルビゾン村に定住しフォンテンブローの森を多く描いた。森の中の巨木などを通して自然の偉大さを訴え、構図は伝統的だが、描写は細やかな観察に裏打ちされており、筆触も生き生きと全面を覆っている。印象主義の先駆者ともいわれる。バルビゾンに没。

[宮崎克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例