リャンガン(両江)道(読み)リャンガン(英語表記)Ryanggang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リャンガン(両江)道」の意味・わかりやすい解説

リャンガン(両江)〔道〕
リャンガン
Ryanggang

北朝鮮の北部にある1級行政区。道庁所在地はヘサン (恵山) 市。行政区域は1市 10郡。北はアムロク (鴨緑) 江,トゥマン (豆満) 江をはさんで中国のチーリン (吉林) 省に接する。 1954年ハムギョンナム (咸鏡南) 道の北部を中心に新設された。大部分がケマ (蓋馬) 高原で,標高 1000~1500mの比較的平坦な地形であるが,東部にはペクトゥ (白頭) 山脈やハムギョン (咸鏡) 山脈があり,南西部にも標高 2000mをこえる山地がある。寒冷な大陸性気候で,ヘサン市では年平均気温 4.2℃,年降水量 500~600mmである。広く原生林におおわれ,森林蓄積量は北朝鮮の 30%以上を占める。おもな林業地はペクトゥ山脈中のサムジヨン (三池淵) 郡,ペガム (白岩) 郡で,サムジヨン,リミョンス (鯉明水) などが林業基地。ヘサン市,ペガムなどでは木材加工が盛ん。地下資源はマグネサイト,銅,硫化鉄,金,石炭,タングステンと豊富。耕地の 90%が標高 800m以上にあるが,コムギジャガイモ,アマ,ホップなどを栽培し,ウシ,メンヨウを放牧している。中国との国境にそびえるペクトゥ山 (2750m) は朝鮮半島最高峰一帯は日本の統治期に朝鮮革命人民軍が活動した地で,ポチョンボ (普天堡) ,テホンダン (大紅湍) ,チョンボン (青峰) などの革命戦跡地がある。面積1万 4000km2人口 62万 8000 (1987推計) 。

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