リヒター閃石(読み)りひたーせんせき(英語表記)richeterite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リヒター閃石」の意味・わかりやすい解説

リヒター閃石
りひたーせんせき
richeterite

ナトリウム‐カルシウム角閃(かくせん)石のうち、ナトリウムに富み、アルミニウムに乏しい鉱物で、産出はややまれである。化学組成の変化に富み、同定化学分析によらなければならない。とくにウインチ閃石winchiteや苦土カトフォラ閃石magnesiokatophoriteとは組成が連続的で、区別が困難である。日本の変成マンガン鉱床(岩手県九戸(くのへ)郡野田玉川鉱山など)から産するものはマンガンに、アルカリ火成岩から産するものはカリウムに富む。カーボナタイトから産するものは理想成分に近い。英名はドイツの鉱物学者H・T・リヒターにちなむ。

松原 聰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android