ヨーロッパ人権委員会(読み)ヨーロッパじんけんいいんかい(英語表記)European Commission on Human Rights

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ人権委員会」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ人権委員会
ヨーロッパじんけんいいんかい
European Commission on Human Rights

1950年 11月ヨーロッパ審議会加盟国が調印し,53年9月発効したヨーロッパ人権条約で締約国が行なった約束の遵守を確保するため設けられた常設機関の一つ。同条約が設けた履行確保措置の中枢にある。委員会は,ある締約国が条約違反を行なったという申立てを受理し,審査調停を行う権限をもつ。委員会の特徴は,一国家内の人権侵害に関して,他国家からの申立てのみならず,個人からの申立ても受理しうることである。

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世界大百科事典(旧版)内のヨーロッパ人権委員会の言及

【ヨーロッパ人権条約】より

…この条約の最大の特色は,条約の履行を確保するための措置,いわゆる実施措置にあり,国際人権規約も米州人権条約も実施措置の面ではこの条約をモデルにしている。この条約はヨーロッパ人権委員会,ヨーロッパ人権裁判所を設置し,委員会には個人も提訴できるシステムを採用していたが,1998年11月1日に発効する第11議定書によって全面的に改められ,裁判所と委員会は廃止され,新裁判所がこれにとってかわる。1996年末までに約3万5000件の個人の申立てがなされ,そのうち約8割が自国政府の人権侵害を訴えた。…

※「ヨーロッパ人権委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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