日本大百科全書(ニッポニカ) 「モア(鳥)」の意味・わかりやすい解説
モア(鳥)
もあ
moa
鳥綱ダチョウ目モア科に属する鳥の総称。この科Dinornithidaeの仲間はかつては恐鳥(きょうちょう)ともよばれ、ニュージーランドだけから化石または半化石として知られている無飛力のダチョウに似た鳥のグループである。古い化石がないので第四紀より前のことはわかっていないが、現存する化石などから約十数種いたことが現在では認められている。約1000年前ごろにマオリ人がニュージーランドに移住したときにはかなり生存していたと思われ、最後の種が絶滅したのは17世紀であろうとされている。その骨から復原した結果、体高は小形のもので1メートル強、大形のものでは4メートル弱であり、生態はダチョウやレアに似たものであったろうと考えられている。
[浦本昌紀]