メロン(Andrew William Mellon)(読み)めろん(英語表記)Andrew William Mellon

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

メロン(Andrew William Mellon)
めろん
Andrew William Mellon
(1855―1937)

アメリカの実業家。メロン財閥を確立。ペンシルベニア州でアイルランド移民の子に生まれる。大学卒業とともに父親トーマスの設立した銀行に入り、1886年その事業を引き継いだ。88年、のちにアルコア略称で知られる企業に出資アルミニウム工業に進出するが、それで得た高利潤を背景に、石油鉄鋼石炭電機、食品などの産業に支配力を及ぼし、モルガンロックフェラーに匹敵する財閥を築き上げた。21年メロン・ナショナル・バンク頭取から財務長官に就任、以来3代にわたる大統領の下でその職を務め、ついで駐英大使(1932~33)に任ぜられた。死去の直前、収集した美術品をワシントン・ナショナル・ギャラリーに寄贈した。

[小林袈裟治]

『小原敬士著『アメリカの財閥』(1954・東洋経済新報社)』

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