メチル銅(Ⅰ)(読み)メチルドウ

化学辞典 第2版 「メチル銅(Ⅰ)」の解説

メチル銅(Ⅰ)
メチルドウ
methylcopper(Ⅰ)

CH3Cu(78.58).メチルリチウムヨウ化銅(Ⅰ)を低温で反応させると得られる.黄色の固体.-20 ℃ 以下の低温でも分解してしまい,メタン,エタンと金属銅になる.空気に触れると自然発火し,また乾燥状態で室温におくと爆発する.エーテルに微溶.トリフェニルホスフィンのような適当な配位子とともに反応させることによって,メチル-銅結合をもつかなり安定な有機金属化合物も得られている.また,ヨウ化銅(Ⅰ)とメチルリチウムの反応を1:2のモル比で行うと,(CH3)2CuLiの組成を有するアート錯体のメチル銅(Ⅰ)化合物が得られる.これは有機化合物のメチル化試薬として用いられる.[CAS 603-33-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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