メダマビラメ(読み)めだまびらめ(英語表記)Pacific sanddab

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メダマビラメ」の意味・わかりやすい解説

メダマビラメ
めだまびらめ / 目玉鮃
目玉平目
Pacific sanddab
[学] Citharichthys sordidus

硬骨魚綱カレイ目ヒラメ科に属する海水魚。ベーリング海からメキシコのバハ・カリフォルニア州までの北米大陸西岸に分布する。目は体の左側にあり、ヒラメ型。体は楕円(だえん)形で、著しく側扁(そくへん)する。尾柄(びへい)はきわめて細い。口は小さく、上顎(じょうがく)の後端は目の中央部下に達する。目は吻(ふん)長よりも大きい。両眼は前半部では狭いくぼみで、後半部では骨の隆起で分かれる。下眼の上の隆起は鋭くて高い。歯は前部でいくぶん肥大するが、犬歯状でない。背びれは上眼のわずかに前から始まる。左右の腹びれはおよそ左右相称で、基底は短い。有眼側の体は褐色または黄褐色で、暗色の斑紋(はんもん)が不規則に散らばる。雄にはくすんだ橙色斑点や斑紋があり、背びれと臀(しり)びれにも同様の斑紋がある。雌の体色は淡くて、ひれは無地である。水深20~180メートルの砂泥底に生息する。アメリカのワシントン州では2月ごろ、カリフォルニア州では7~9月ごろに産卵する。卵はきわめて小さく、直径0.1~0.8ミリメートルほどで、無色で1個の油球をもつ。カリフォルニア州では1年で9.5センチメートル、3年で19.2センチメートル、7年で雄では24.6センチメートル、雌では27.4センチメートルになり、最大で40センチメートルほどになる。体長19センチメートルほどで成熟する。おもにトロール、釣りで漁獲される。日本に輸入されている。から揚げ、フライ干物などにすると美味である。

[尼岡邦夫]

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