日本大百科全書(ニッポニカ) 「メガラ(都市国家)」の意味・わかりやすい解説
メガラ(都市国家)
めがら
Megara
古代ギリシアのドーリス人のポリス(都市国家)。アテネとコリントの間にあった。紀元前10世紀なかばごろ、イオニア人にかわってドーリス人が支配者となり、前8世紀にポリスを形成したと思われる。前730~前550年にシチリア島や黒海方面にメガラ・ヒブライア、ビザンティオン(現イスタンブール)などの植民市を建設した。前7世紀後半にテアゲネスが僭主(せんしゅ)となり、前6世紀前半に激しい党争が続き、サラミス島をアテネに奪われ、同世紀末にペロポネソス同盟に加わった。ペロポネソス戦争ではスパルタ側につき、前4世紀に繁栄を回復したが、ヘレニズム時代以後ふたたびそれを失った。
今日のメガラは人口1万7719(1981)。ブドウとオリーブ栽培の盛んなメガリス平野の中心都市である。
[清永昭次]