マンナゴケ(読み)まんなごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マンナゴケ」の意味・わかりやすい解説

マンナゴケ
まんなごけ
[学] Lecanora esculenta Eversum.

地衣類チャシブゴケ科の1種。中央アジア地方に分布し、岩上に生えるが、成長とともに大きく盛り上がり、岩から離れて、風などによって遠くまで運ばれる。食用にもなり、『旧約聖書』には、イスラエル人モーセに率いられてアラブ荒野を渡るとき、飢えをしのぐため、神が天から降らして与えた食物がこのマンナゴケ(マンナmanna)であることが記されている。日本に生育するチャシブゴケ属Lecanoraにはいくつかあるが、いずれも岩上や樹皮に固着する小形のもので、食用にはならない。

[井上 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android