日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マレー(Etienne Jules Marey)
まれー
Étienne Jules Marey
(1830―1904)
フランスの生理学者。ボーヌに生まれる。パリで医学を学び、コシン病院助手となり、そのかたわら私設生理学実験室で心音や心拍動についての生理学的実験を行った。1859年、彼の新考案の脈波計を用いた研究結果を発表し有名となった。1867年コレージュ・ド・フランスの生理学教授に就任し、1878年に生理学者C・ベルナールの後任としてフランス科学アカデミー会員となった。心臓の研究に続いて、ヒトや動物の歩行、跳躍、飛行などの運動の研究を行った。多くの生理学的実験器具を考案改良し、研究の発展に寄与した。業績として『生命現象における運動』Du Mouvement dans les fonctions de la vie(1868)、『グラフ記録法』La Méthode graphique dans les sciences expérimentales et principalement en physiologie et en médecine(1878)、『鳥類の飛行』Le Vol des Oiseaux(1890)などがある。
[中山 沃]
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