マラーノ

百科事典マイペディア 「マラーノ」の意味・わかりやすい解説

マラーノ

イベリア半島でやむなくキリスト教に改宗したユダヤ人(コンベルソconverso)の蔑称。〈豚〉の意。マラノスmarranosと複数形でも呼ばれる。イベリア諸王国や社会へ入り込んでいたユダヤ人は反感迫害を免れるためにキリスト教に改宗し,スペイン人キリスト教徒(旧キリスト教徒)に対して新キリスト教徒となった。1492年国土回復戦争レコンキスタ)を完了したカスティリャ王フェルナンド5世とイサベル1世(カトリック両王)によって出されたユダヤ人追放令により約20万人のユダヤ人が周辺諸国へ移住。その後もイベリアに残った改宗者は,異端審問など数々の弾圧におびえながら生きることを余儀なくされた。
→関連項目アムステルダムセファルディム

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世界大百科事典(旧版)内のマラーノの言及

【セファルディム】より

…オスマン帝国ではユダヤ人を喜んで受け入れたので,テッサロニキはセファルディムの中心地となった。改宗したユダヤ人(コンベルソまたはマラーノmarrano)は,ユダヤ教をすてきれずに〈隠れユダヤ〉の生活を送っていたが,16世紀にポルトガルを経てオランダに移住した。セファルディムの移住は,その後,イギリス,アメリカ,ボルドー,ハンブルクなどへと広がった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」