日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マデルナ(Carlo Maderna)
までるな
Carlo Maderna
(1556―1629)
イタリア・バロックの建築家。マデルノMadernoともいう。北イタリアのカポラーゴに生まれる。1588年にはローマに出てシクストゥス5世に任用されていた伯父にあたる建築家ドメニコ・フォンタナのもとで学んだ。最初の主要作品は1603年に完成したサンタ・スザンナ聖堂のファサードで、それはビニョーラとポルタのイル・ジェズ聖堂のデザインを祖型としている。同年サン・ピエトロ大聖堂の建築主任に任命され、ブラマンテやミケランジェロが計画していた集中式プランを、身廊が付加されたラテン十字のバシリカに改変し、さらにファサードを拡張している。このほか教会建築にはミケランジェロの設計によるサン・ピエトロ大聖堂の円蓋(えんがい)を継承するサンタンドレア・デッラ・バッレ聖堂、世俗建築にはローマのパラッツォ・アンティーチ・マッティや、パラッツォ・バルベリーニの設計(建設はベルニーニ)などがある。
[小針由紀隆]
[参照項目] |