ホンコン海員ストライキ(読み)ホンコンかいいんストライキ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホンコン海員ストライキ」の意味・わかりやすい解説

ホンコン海員ストライキ
ホンコンかいいんストライキ

1922年1~3月ホンコンの中国人海員が賃上げを中心とする要求を掲げて行なったストライキ。 21年9月ホンコンの海員蘇兆徴,林偉民らは中華海員工業連合総会を結成し,21年9,10月および 22年1月 12日の3回にわたって賃上げを中心とする待遇改善要求を船会社に提出。回答がないため1月 13日からストに入り,1月末にはスト参加者は約3万人に達した。2月1日ホンコン政庁組合を解散させたが,労働者側は孫文政権下にあった広州を拠点に対抗,ストは激化し,政庁は非常事態を宣言。3月4日,沙田でイギリス兵の発砲により労働者数名が死傷する事件 (沙田事件) が起り,中国の反英風潮をますます高めた。3月5日政庁,船主委員会側は組合解散命令の取消し,沙田事件の賠償,15~30%の賃上げに同意し,五十余日に及んだストは労働者側の勝利に終った。このストは中国人労働者の反帝国主義的ゼネストが初めて成功を収めたものであり,これ以後,中国各地のストが活発化し,23年2月の京漢鉄道ストにいたるまでの1年間にわたって中国労働運動は最初の高潮期を迎えた。

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