日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ベルナール(Joseph-Antoine Bernard)
べるなーる
Joseph-Antoine Bernard
(1866―1931)
フランスの彫刻家、挿絵画家。最初リヨンの美術学校、ついでパリのエコール・デ・ボザールに学び、1893年のサロンに石膏(せっこう)像『報われなかった希望』を出品して入賞。1900年のパリ万国博覧会には『別離』の群像を展覧し、25年の装飾美術展出品の『ダンスのフリーズ』は国の買上げとなる。彼の作品は、ドイツ人ヒルデブラントが提唱した、大理石の地肌を生かし鑿(のみ)あとを残す直(じか)彫りの技法をフランスに伝える。『ミシェル・ヤルベの記念碑』(1909~12)や『競技者』(未完)のように、絶えずモニュメンタルな性格を作品に与えようと試みた。バレリーの『魂と舞踏』による水彩画は、彼の微細な色彩家の側面を明らかにしてくれる。
[上村清雄]