プラン・コロンビア(読み)ぷらんころんびあ

知恵蔵 「プラン・コロンビア」の解説

プラン・コロンビア

内戦が長期化し麻薬製造の中心ともなっている南米コロンビアで、問題の根底にある貧困を解決しようと政府が策定した開発計画。麻薬の原料となるコカを栽培する農家に代替作物の生産を奨励するなど、内戦や麻薬に汚染された地域を環境保護地域、農業開発地域に変えようとした。コカインのまん延に悩む米国は全面的に支援し、下院は2000年1月、17億ドルの拠出を議決。その大半は軍事協力費で、コロンビアの反政府派は開発に名を借りた左派弾圧だと批判した。同年12月から5カ年計画でスタートしコカ畑をほぼ半減させたが、コカ栽培地を分散させただけだともいわれる。カリ市に生まれた同国最大の麻薬組織カリ・カルテルは、勢いをなくしたもののなお活動している。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2007年)

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