日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロード(織物)」の意味・わかりやすい解説
ブロード(織物)
ぶろーど
broadcloth
もとは織幅27インチ(約68.6センチメートル)以上の幅の広いもので、広幅織機で織った織物をさしていたが、現在では、横畝(よこうね)のある平織で、地合いを密にして織り上げ、柔軟な仕上げをしたポプリンをブロードとよんでいる。多くはコーマ双糸を経緯(たてよこ)糸に用いたもので、シルケット加工を施し、落ち着いた光沢のあるものが多い。一般に木綿生地(きじ)からなるが、ときには人絹織物もあり、最近では化合繊で同様な風合いに仕上げたものも増加している。
また上質の梳毛(そもう)糸または紡毛糸を使い、平織とし、表面の毛羽を均一に短くそろえ、光沢に富んだ手ざわりのよい毛織物をさすときもある。これは仕上げ工程で非常に収縮するため、織幅を広くしなければならないのでブロードの名称がある。
[角山幸洋]