ブルース(James Bruce)(読み)ぶるーす(英語表記)James Bruce

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブルース(James Bruce)
ぶるーす
James Bruce
(1730―1794)

イギリスの探検家。スコットランドのステアリング県カンネルドに生まれる。エジンバラ大学に学んだ。1763年アルジェリア駐在のイギリス領事となったが、1765年辞任、北アフリカにおけるローマ遺跡を探検した。1765~1768年にかけて、地中海東部のロードス島キプロス島およびシリアを広く旅行して考古学的発掘に従事した。そのなかでレバノンバールベックとシリアの遺跡の考古学的研究は有名である。1768年以来、ナイル川源流の探検を行い、1770年11月14日、ついにタナ湖畔のギーシュが青ナイルの源流であることをつきとめた。1774年帰国し報告したが、彼の探検談は容易に信用されなかった。しかし、白ナイルとの合流点など、彼が最初にナイル川の全流程を探検したことに変わりはない。著書に『1768―73年におけるナイル川源流発見旅行』全5巻(1790)がある。

[市川正巳]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例