ブドウイカ(読み)ぶどういか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブドウイカ」の意味・わかりやすい解説

ブドウイカ
ぶどういか / 葡萄烏賊
[学] Loligo edulis budo

軟体動物門頭足綱ジンドウイカ科のイカ。日本海西部にしか出現せず、ケンサキイカの一地方型または季節生態型と思われる。外套(がいとう)長25センチメートル程度になり、ひれは菱(ひし)形で外套長の約60%を占める。腕にある大きな吸盤の角質環に四角い歯があることと、触腕の掌部の大吸盤に鋭い歯がある点はケンサキイカと異ならないが、胴に比べて頭腕部が著しくたくましい点が一見して異なる。この特徴は幼若期にはあまりはっきりしない。山陰地方では「シロイカ」と称され、もっとも重要な沿岸資源の一つである。乾製品は白するめとよばれる。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のブドウイカの言及

【ケンサキイカ】より

…また内臓囊上に発光器のある点もヤリイカと異なる。相模湾以西の本州太平洋岸と,日本海西部に分布し,とくに日本海西部に分布する型は太短く,触腕も太くブドウイカと呼ばれる地方的亜種である。主産地は九州西方,五島列島付近なので,九州では本種をゴトウイカといい,地方によってはシロイカ(おもにブドウイカのこと),メヒカリイカ,マワシッコ(幼若体)といい,地方的形態変化が激しい。…

※「ブドウイカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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