世界大百科事典 第2版 の解説 ブズルグ・ブン・シャフリヤール【Buzurg b.Shahriyār】 10世紀後半に活躍したペルシア系船長,《インドの不思議Kitāb A‘jāb al‐Hind》の著者。ペルシア湾岸のラムホルムズ出身。生没年不詳。同書はインド洋からシナの海を航行するムスリム商人,船乗りたちの報告に基づきアラビア語で書かれ,135の独立した物語,奇談が収められている。この中には《千夜一夜物語》中の船乗りシンドバッドの航海談の原形ともみられる伝説や,かなり荒唐無稽な物語も含まれるが,当時の航海のようすやインド洋の島々,アラビア半島,東部アフリカの姿を知る上で示唆に富む。 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報