フミン

化学辞典 第2版 「フミン」の解説

フミン
フミン
humin

炭水化物を含むタンパク質試料を酸性加水分解したときに生成する.黒色の不溶性物質.【フミン質腐植土,腐植質ともいわれる.植物などが微生物分解を受けて生成する,分子量数百から数十万の天然有機物質.アルカリ可溶性であるが,pH 1.0の水に可溶フルボ酸沈殿物のうち,アルコール類に可溶なヒマトメラン酸,アルコール類に不溶のフミン酸に分画されているが,構造はまだ不明確である.

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岩石学辞典 「フミン」の解説

フミン

(1) 蛋白質加水分解するときに生じる黒色不溶物.(2) 土壌石炭などに含まれる動植物が分解してできた黒褐色有機質を腐植(humus)といい,そのうちの溶剤によって浸出されずに残留する部分[長倉ほか : 1998].⇒アルミン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フミン」の意味・わかりやすい解説

フミン
humin

一般に土壌から腐植を分離する際,アルカリ性の溶剤に浸出されないで残る有機質画分をいう。腐植 (フムス,または腐植質) とは,植物の枯死体を主体とした好気性細菌などによって分解されて生じた産物のことで,アルカリ可溶部分はフミン酸およびフルボ酸画分である。

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栄養・生化学辞典 「フミン」の解説

フミン

 フミン質ともいう.糖を含むタンパク質の試料を加水分解したときに生成する黒褐色の物質.また,土壌の中で葉が腐朽したときに生成する黒褐色の物質もいう.後者はリグニンなどのフェノール性化合物が主成分とされる.

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