ファテープル-シークリー(読み)ファテープルシークリー

世界遺産詳解 の解説

ファテープルシークリー【ファテープル-シークリー】

1986年に登録された世界遺産(文化遺産)で、インド北部ウッタル・プラデシュ州のアーグラから南西約40kmに位置する、ムガル帝国第3代皇帝アクバルが16世紀後半に建造した城跡。世継ぎに恵まれなかったアクバルが、この地に住むイスラムの聖者予言によって男児を得たため、これに感謝して、1571年に首都をアーグラから遷都した。しかし、水不足と猛暑によって、わずか十余年で立ち退きを余儀なくされ、以降は都として使用されることなく、廃墟となった。5層の楼台からなるパンチ・マハル、ディーワーニ・アーム(公謁殿)とディーワーニ・ハース(内謁殿)、最大のモスクであるジャーミ・マスジド、ジョド・バーイ殿、聖者サリーム・チシュティーの聖廟などのほか、城壁内には多くの建物が点在する。このような、イスラム建築とインドの伝統様式を融合させた建造物群が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はFatehpur Sikri。ファテープルとは、ヒンドゥー語で「勝利の都」を意味する。

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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