日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピョートル(3世)」の意味・わかりやすい解説
ピョートル(3世)
ぴょーとる
Пётр Ⅲ/Pyotr Ⅲ
(1728―1762)
ロシア、ロマノフ王朝第10代の皇帝(在位1761~62)。ホルシュタイン・ゴットルプ公カール・フリードリヒとロシア皇帝ピョートル1世の娘アンナ・ペトローブナとの子。1742年ロシアの女帝エリザベータ・ペトローブナにより皇位継承者に指名され、アンハルト・ツェルプスト公国の公女ソフィア(後のエカチェリーナ2世)と結婚。プロイセンのフリードリヒ2世(大王)を尊敬し、ロシアとロシア人を軽蔑(けいべつ)したため、多くの人の反感を買った。プロイセンのため七年戦争から手を引き、正教会を圧迫するなど、気まぐれな政策を行った。このため皇后を担ぐ貴族の宮廷革命によって退位させられ、1週間後アレクセイ・オルロフに率いられた近衛(このえ)軍により殺された。
[外川継男]