ビンラディン(読み)びんらでぃん(英語表記)Osama bin Muhammad bin Ladin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビンラディン」の意味・わかりやすい解説

ビンラディン
びんらでぃん
Osama bin Muhammad bin Ladin
(1957―2011)

イスラム原理主義テロ組織アルカイダの指導者。サウジアラビア最大の建設会社サウジ・ビンラディングループ経営者の息子としてリヤドに生まれ、ジッダで育つ。キング・アブドゥル・アジズ大学に在学中、イスラム同胞団の論客に師事してから原理主義に傾注した。1979年のソ連侵攻後、アフガニスタンで始まったゲリラ戦に協力し、サウジアラビア政府の意を受けてアラブ諸国で志願兵募集や資金集めを展開。1990年にイラククウェートに侵攻すると、志願兵組織を使った防衛案をサウジアラビア政府に提案するが、政府はアメリカに頼った。そのため反サウジ・反米の運動を強めてスーダン亡命、1996年からはアフガニスタンに移った。1992年から相次いだ中東の米軍施設の爆破事件、1998年のケニアタンザニアのアメリカ大使館爆破事件、2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件に黒幕としてかかわったとされる。2011年5月にアメリカ政府は、パキスタンのイスラマバード郊外に潜伏中のビンラディンを殺害したと発表した。

田中 宇 2018年4月18日]

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