ビャクレン(読み)びゃくれん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビャクレン」の意味・わかりやすい解説

ビャクレン
びゃくれん
[学] Ampelopsis japonica (Thunb.) Makino

ブドウ科(APG分類:ブドウ科)の多年生つる植物。カガミグサともいう。中国(東北地区南部以南)に分布し、日本には江戸時代に渡来した。葉と対生する位置に巻きひげがある。葉は互生し、柄があり、掌状複葉で、小葉は3~5個、あるいはさらに羽状に分裂し、最終裂片は披針(ひしん)形または菱(ひし)形となる。葉軸には翼(よく)がある。6月から7月にかけて、集散花序を葉と対生する位置につけ、花序柄は長さ4~9センチメートルで巻き付く形をとり、淡黄色の小さな花が多数集まってつく。

 紡錘形または塊状で濃赤褐色の根を白蘞といい、漢方では解熱解毒、消腫(しょうしゅ)、鎮痛剤として腫(は)れ物、るいれき、湯火傷、捻挫(ねんざ)などの治療に用いる。なお、ビャクレンの古名をカガミグサ、ヤマカガミという。

[長沢元夫 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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