パルマ(Ricardo Palma)(読み)ぱるま(英語表記)Ricardo Palma

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

パルマ(Ricardo Palma)
ぱるま
Ricardo Palma
(1833―1919)

ペルーの小説家、詩人。若いころ渡欧しボヘミアンの生活を送り、スペインの詩人ソリーリャに傾倒して、『調和』(1865)などの詩集を発表。また、ユゴーロングフェローを翻訳。帰国後はホセ・バルタ大統領の秘書官上院議員を務め、1884年リマ国立図書館長に就任。詩作品、歴史書も数多く残すが、彼の名を高めたのは1872年から1910年まで書き続けた『ペルー伝説集』である。この作品の大半は植民地時代に題材を得ているが、単なる伝説、挿話あるいは風刺文として分類できるものでなく、それぞれの要素がみごとに融け合い、ペルーの風俗、習慣が鮮やかに活写された物語集となっている。

[安藤哲行]

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