パリ同時テロ(読み)パリどうじテロ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パリ同時テロ」の意味・わかりやすい解説

パリ同時テロ
パリどうじテロ

2015年11月にフランスパリ中心部と郊外で発生した組織的なテロリズム事件。自動小銃などで武装した過激派組織が劇場,レストラン,カフェなどを相次いで襲い,少なくとも 130人を殺害,350人以上に重軽傷を負わせた。11月13日午後9時20分,パリ郊外サンドニの競技場で,フランソア・オランド大統領を含む約 8万人がサッカーを観戦中,入口付近で自爆テロによる爆発が発生,その後も付近で 2回爆発が起こった。同 25分,パリ10区のバーとカンボジア料理店付近で武装集団が銃を発砲し,15人が死亡,12人以上が負傷。同 32分,パリ11区のイタリア料理店,カフェなどが襲われ,5人が死亡,8人が負傷した。同 36分,続いてレストラン付近で発砲があり,19人が死亡,9人が負傷。同 40分,カフェで自爆テロが発生。同 40分,バタクラン劇場に犯人 3人が侵入して銃を乱射観客人質にしてたてこもり,少なくとも 89人を殺害した。14日午前0時頃,オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言。同 20分,バタクラン劇場にフランス治安部隊が突入,犯人 2人が自爆,1人は射殺された。同日,イスラム武装組織「イスラム国ISが,フランスのシリア空爆に対する報復テロとの犯行声明を発表。15日,フランス軍はシリア北部ラッカにある ISの拠点を空爆した。18日,サンドニの犯人グループの潜伏先にフランス対テロ部隊が突入,銃撃戦となり 3人が死亡,うち 1人は首謀者とみられるモロッコ系ベルギー人の男であることが確認された。

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