パラシュラーマ(英語表記)Paraśurāma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラシュラーマ」の意味・わかりやすい解説

パラシュラーマ
Paraśurāma

サンスクリット語で,「斧のラーマ」の意。ヒンドゥー教の一派,ビシュヌ派の立てる最高神であるビシュヌ化身一つ。聖仙ジャマダグニとレーヌカーの間に生れた子とされる。邪悪なクシャトリヤを滅ぼし,バラモン至上の社会をつくったといわれる。シバ神から武器の斧 (パラシュ paraśu) を得たとされ,そのためこう称される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパラシュラーマの言及

【インド神話】より

…プラーナ文献において,ビシュヌの化身(アバターラavatāra)神話が整備された。化身の種類と数については種々の説があり,必ずしも一定しないが,特に,猪(バラーハ),人獅子(ヌリシンハ),亀(クールマ),侏儒(バーマナ),魚(マツヤ),ラーマ,パラシュラーマParaśurāma,クリシュナ,ブッダ,カルキKalkiの10種の化身が最も一般的である。ビシュヌは猪となり,水没していた大地をその牙で救い上げ,悪魔ヒラニヤークシャを殺した。…

【ビシュヌ派】より

権化とも訳される)ということが強調されている。後世有名なのは〈10化身〉説で,それによれば,ビシュヌはこの世に,魚,亀,野猪,人獅子,小人,パラシュラーマ,ラーマ,クリシュナ,ブッダ,カルキとして現れるという。なかでもラーマとその妃シーター,クリシュナとその妃ラーダーは,しばしば文芸の対象になり,広くインド全土で熱烈に崇拝されてきた。…

※「パラシュラーマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android